Wi-Fiルーターに表示されている11b/11g/11a/11n/11ac/11ad/11axの違いと機器の選び方

家でインターネットに接続する際、無線LANルーターだとWi-Fiが使えて便利ですが、規格として「IEEE802.11」という記載があり、さらに11b/11g/11a/11n/11ac/11ad/11axと色々な種類があります。

今回はこれについて見てみたいと思います。

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「IEEE802.11」は無線LAN関連規格

「IEEE802.11」とは、アメリカ合衆国に本部を置く電気・情報工学分野の学術研究団体(学会)、技術標準化機関であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)により策定された、広く普及している無線LAN関連規格の一つです。

また、この「IEEE 802.11」の技術規格に準拠した機器で構成されるネットワークの事を一般的に無線LANと呼んでいるのです。

無線LANには、周波数の帯域や特長の違いから11b/11g/11a/11nがあり、最近では新しい規格で速い速度で通信が可能な11ac/11ad/11axの製品でも出てきています。

利用する周波数帯の違い

電波での通信時に利用する周波数帯は規格ごとに異なっており、それぞれの規格毎に以下のようになっています。

  • 11a/11ac:5GHz
  • 11b/11g:2.4GHz
  • 11ad:60GHz
  • 11n/11ax:2.4GHzと5GHz両方

2.4GHz、5Ghz、60GHzの周波数には、それぞれメリット・デメリットが存在します。

周波数帯メリット・デメリット
2.4GHz2.4GHzは、壁や天井などの障害物に強く、離れた部屋でも比較的通信が届きやすいため、屋内や屋外でも利用ができるが、電子レンジや無線キーボード、Bluethoothなど、同じ周波数帯を利用する機器が多いため、電波干渉により接続状況が不安定になったり、通信速度が低下しやすい。
5GHz5GHzは、無線LAN専用の周波数帯のため、同一周波数を利用する機器の電波干渉が少なく、接続状況が安定して、通信速度の向上を見込めるが、壁や天井などの障害物に弱く、2.4GHzより通信距離が短い。
60GHzあまり使用されない周波数帯のため、同一周波数を利用する機器の電波干渉が少ないが、電波の直進性が高く5GHz帯よりさらに障害物に弱く、通信距離も10メートル程度と短いため、別室や屋外で利用する通信端末には不向きで、狭い範囲で高速通信する目的に向いている。

規格毎の速度

また、11b/11g/11a/11n/11ac/11ad/11axの規格で出る速度は、以下のようになっています。

規格周波数帯最大通信速度
11b2.4GHz11Mbps
11g2.4GHz54Mbps
11a5GHz54Mbps
11n2.4GHz600Mbps
5GHz
11ac5GHz6.9Gbps
11ad60GHz6.8Gbps
11ax2.4GHz9.6Gbps
5GHz

ストリーム数

他にも、Wi-Fiルーターには、「ストリーム数」という記載もあります。

このストリーム数は、そのWi-Fiルーターに搭載されているアンテナの本数であり、「4×4」や「3×3」というこの数字がストリーム数(アンテナ数)を表しています。

NEC Aterm WF1200HP2外箱

例えば、こちらのNEC Aterm WF1200HP2には「2ストリームモデル」とありますが、公式サイトを見ると「アンテナ数 2×2(5GHz帯 & 2.4GHz帯)」となっています。

このストリーム数の数字は、「受信ストリーム数×送信ストリーム数」を表しており、通信時に送信側と受信側の両方で複数のアンテナを使うことで高速化を図ることができるため、数が多いほど通信速度が速くなります。

このストリーム数は道路の渋滞の話にも似ていて、1ストリームよりも4ストリームの方が道路と同じくスムーズというのは理解できると思います。

一方、ほとんど車が通らない道路を片側4車線にする必要がないのと同じく、Wi-Fiルーターに接続する端末が少ないのであれば、高価な4ストリームのWi-Fiルーターを買う必要はありません。

接続する端末数と利用環境で選択

結局、接続すると端末数と端末のスペック、利用環境によってWi-Fiルーターは選ぶ必要があります。

複数の規格を使えるのが望ましい

今販売されているWi-Fiルーターは、複数もしくはすべての規格を扱えるものがほとんどであり、異なる周波数帯を切り替えて使えるもののほか、複数の規格の無線を同時に使用できる機器もあります。

例えば、11aしか使用できないWi-Fiルーターだと、2つの端末を同時に接続した場合には、規格値54Mbpsの速度を2台で分けて利用しなければなりません。

しかし、2つの端末を11aと11gに別々に繋ぐ事ができれば、54Mbpsの速度をそれぞれの端末で利用できるので、家族でそれぞれがスマートフォンとPCを使う、というように接続する端末が多い場合には、対応する周波数とストリーム数は重要になってきます。

ただし、これは接続する端末側が新しい仕様に対応しているかにも左右されるので、一概に最新のWi-Fiルーターを買えばいいというものでもないので、その点は注意が必要です。

11axに対応した機種

既に最大通信速度が9.6Gbpsと高速な最新の11axが利用できるWi-Fiルーターも販売されています。

「Wi-Fiが遅い」という場合には、無線LANルーターの調子が悪くなったのでNEC Aterm WG1200HP2に買い換えたらかなり高速にで書いたように、機械自体の調子が悪い場合や、利用端末数が増えた影響が考えられます。

その場合には、新たなWi-Fiルーターに買い替えるだけで問題が解決するかもしれません。

項目対応状況
無線規格と最大伝送速度11b:最大11Mbps
11g:最大54Mbps
11a:最大54Mbps
11n:最大400Mbp
11ac:最大1733Mbps
11ax:
 5GHz帯 最大2402Mbps
 2.4GHz帯 最大574Mbps
ストリーム数2×2
対応IPv6v6プラス
IPv6オプション
transix
項目対応状況
無線規格と最大伝送速度11b:最大11Mbps
11g:最大54Mbps
11a:最大54Mbps
11n:最大300Mbp
11ac:最大867Mbps
11ax:
 5GHz帯 最大1201Mbps
 2.4GHz帯 最大574Mbps
ストリーム数2.4 GHz (2 x 2)
5 GHz (2 x 2)
項目対応状況
無線規格と最大伝送速度11b:最大11Mbps
11g:最大54Mbps
11a:最大54Mbps
11n:最大300Mbp
11ac:最大867Mbps
11ax:
 5GHz帯 最大2402Mbps
 2.4GHz帯 最大574Mbps
ストリーム数2.4 GHz (2 x 2)
5 GHz (2 x 2)
項目対応状況
無線規格と最大伝送速度11b:最大11Mbps
11g:最大54Mbps
11a:最大54Mbps
11n:最大1000Mbps
11ac:最大3466Mbps
11ax:
 5GHz帯 最大4803Mbps
 2.4GHz帯 最大1147Mbps
ストリーム数80MHz 8×8
160MHz 4×4
40MHz 4×4
対応IPv6IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)
OCNバーチャルコネクト
v6プラス
IPv6オプション
transix
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