NTTドコモは、2020年9月17日にリリースされたiOS 14/iPadOS 14のメールアプリにおいて、一部のユーザーでメールの送信ができなくなる事象の発生を確認したと発表しました。
これは、ドコモのメールアドレスがRFC違反のものであっても利用できたことが表面化したもののようです。
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RFCとは何か?
JPNIC(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)という日本のインターネットを安定的に、円滑かつ的確に運用・管理していくための活動をする組織が、インターネット10分講座:RFCという記事の中で、RFCについ以下のように説明をしています。
「インターネット」といったキーワードで関連づけられて広く公開しておくべきだと思われる情報を公開するための管理された文書シリーズ
JPNIC:インターネット10分講座:RFC
インターネットは誰かが管理しているものではありませんので、必ず守らないといけない絶対的なルールというものはありません。
しかし、世界中の人が利用するものですので、ある程度共通のルールを決めておいた方が便利なのは確かであり、RFCは「こうして使う方が良い」となっているものをまとめているものです。
以前から指摘されてきた
RFCはメールアドレスについても、「こういした方が良い」ということをまとめています。
しかし、日本の携帯電話会社は携帯電話番号だけで使えるSMS(ショート・メッセージ・サービス)の接続をお互いできるようには長年することもなく、メールアドレスも自社ドメインのキャリアメールを使うようにユーザーに押し付けてきました。
この独自のキャリアメールのメールアドレスは、ドット2連続「..」や@マーク直前のドット「.@」を含んだような、RFCの決めたメールアドレスのルールに反したものでも取得が可能でした。
今回、NTTドコモが発表したメールアドレスは、このRFC違反となっているメールアドレスで障害が起こっているようです。
RFC違反のメールアドレス※をiOS14以降のメールアプリに設定するとドコモメール(@docomo.ne.jp)を送信することができなくなる事象が確認されております。
※ご利用のアドレス内に2連続のドット「..」が含まれていたり、アットマーク前にドット「.@」が含まれているアドレスをご利用の場合にメールが送信できなくなっていることを確認しております。
ドコモメール:iOS14アップデート後、メール送信不可となる事象に関して
メールアドレス変更かプロファイル更新が必要
NTTドコモのユーザーで、ドコモメールが送信できない事象が発生している場合には、メールアドレスを変更するか、プロファイルの更新を行う必要があります。
NTTドコモは、この事象に遭遇している場合は、メールアドレス変更、ドコモメール(ブラウザ版)の利用、同社Webサイトからプロファイルの更新のいずれかで対処できると案内しています。
この問題はiOS14以前のバージョンでは発生しないため、iOS13の場合はプロファイルの更新は不要です。
また、i-mode端末やAndroidでは影響はありません。